ブルーライトによる思春期慢性連日性頭痛など入院も 治療は?
公開日:
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最終更新日:2015/02/12
美容、健康、その他
近年、成人だけでなく小児領域においても、
・片頭痛・緊張型頭痛
・起立性調節障害
・睡眠障害
・不登校
などが増加傾向にあることをご存知でしょうか?
その原因は、スマートフォンやゲーム機、パソコン、液晶テレビなどに含まれている
『ブルーライト』
という可視光との関連が指摘されています。
実際に、ある医療機関の小児思春期頭痛外来に通院中の30名(12~19歳)のアンケートでは、
・スマートフォン・ゲーム・パソコンの所持率は100%(スマートフォンは93%)
・ブルーライト画面の使用時間は平均5.6時間(最長15時間)
・20時以降の使用が「ほぼ毎日」
という結果が得られています。
つまり、子どもたちの日常生活におけるブルーライト曝露量が増えており、
眼疾患や体内時計、肥満やがん、精神疾患などへの影響が懸念されています。
症状が重い場合は、ブルーライト制限を中心とした入院治療が必要となる場合もあるといいます。
治療内容としては、
①規則正しい生活(食事・睡眠)
②午前・午後の一定の運動(階段昇降、剣道素振りなど)
③スマートフォン、ゲームの取り上げ
④頭痛体操+マッサージ(起床後、就寝前)
が主体(急性期は薬物治療も併用)で、特別なものではありません。
しかし退院時には、薬の服用回数が減り、症状も著明に改善して登校も可能となったという実際の症例が報告されています。
特に、「思春期慢性連日性頭痛」の登校不可や昼夜逆転(夜間に目が覚めて眠れず、昼間に眠くなる)を伴う場合は、夜間のブルーライト制限だけでもかなりの効果があることがわかっています。
最近は、ブルーライト制限の基準づくりの必要性が叫ばれるようになっていますが、
その対策としては、
1)スマートフォンやパソコンなどの使用は1日3時間以内
2)20時以降はなるべく使用しない
3)ブルーライトカット眼鏡(2000~3000円程度)の着用
などになります。
これらは、保護者の協力があれば問題なく対処できる内容だと思います。
これからを担う子どもたちのよい環境づくりは私たち大人の義務ですよね。
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