ウイルスの脅威と恩恵 バクテリオファージやタバコモザイク
公開日:
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最終更新日:2015/05/03
美容、健康、その他
2014年が終わろうとしていますが、今年もまたさまざまなウイルス感染のニュースがありました。
例年、鳥インフルエンザ関連のニュースは目にしますが、今年は特に、国際的にはエボラ出血熱、国内ではデング熱の感染拡大が注目を集めました。
私たちにとって『ウイルス』とは、やはり怖いイメージがありますよね。
ヒトの病気に関わるウイルスは数百種もあるといわれていて、日常でもよく遭遇する呼吸器や消化器などの急性感染症から、AIDSやB型・C型肝炎など慢性疾患としての経過をたどる感染症まで多種多様です。
ではなぜウイルスのイメージが怖いのかというと、その感染の仕方にあるのではないでしょうか。
そもそもウイルスというのは細胞を持たず、他の生物の存在なくしては自己複製できません。
そのため感染・増殖し、宿主に症状や重症度の異なるさまざまな病気を引き起こし、なかなかその正体がわかりません。
そして、社会にもたらす影響が大きいと「脅威」となり、時にパニックをも引き起こします。
しかも、宿主に重大な影響を与えることなく、その細胞内でウイルスにのみ作用する薬剤の開発は困難を極め、現在でも有効な抗ウイルス薬がある疾患は限られています。
このようなことから、さまざまな病気の中でも、とりわけウイルス感染症は、人々に嫌悪と恐怖のイメージを抱かせるわけです。
しかし一方で、ウイルスを医農工分野で利用し、恩恵を受けているという側面があるのも事実。
医学分野では、あの有名な『iPS細胞』も、当初はレトロウイルス由来の遺伝子を用いて樹立されました。
農業分野では、細菌を宿主とするウイルスである「バクテリオファージ」が、2006年に食品や食品加工環境の殺菌を用途として米国食品医薬品局に認可されています。
工業分野では、植物を宿主とするタバコモザイクウイルスの細長い形状を鋳型として、その空洞内でコバルト-鉄合金などのナノワイヤを作る試みがなされています。
私たちが細菌やウイルスに対してどんな対策をとろうとも、無菌社会やウイルスがいない社会というのは現実的にはありえません。
そうであれば、まずはウイルスのことを知り、どのように制御・活用し、良い関係で共存するかを考える必要があるのではないでしょうか。
ちなみに、ウイルスを題材とした人気小説はコチラ↓↓↓
http://books.rakuten.co.jp/rb/12855779/
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