日本は発酵食品大国!うまみや健康効果に世界が注目!歴史、気候風土、食文化もわかる!
公開日:
:
美容、健康、その他
2013年に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録され、
一汁三菜が基本の「和食」に欠かせないのが、
『発酵食品』
です。
日本は世界有数の発酵食品大国で、
世界一硬い食品といわれる「かつお節」もその1つ。
特に、発酵食品に多く含まれる「うまみ」や健康効果が、
世界でも注目を浴びています。
発酵には、
その働きを助ける微生物が必要ですが、
主なものとして「カビ」、「酵母菌」、「細菌」の3つがあります。
西欧でカビといえば、
ブルーチーズやカマンベールチーズが有名ですが、
日本の代表的なカビ「麹菌」は、
清酒、味噌、醤油、みりんなど
和食に欠かせない食材の原点になっています。
「麹」は、米や大豆などの穀物に発酵に必要なカビを繁殖させたものです。
日本と同様に湿気の多い東南アジアや東アジアにも麹はありますが、
日本の麹は「国菌」とも呼ばれ、大陸から伝わったものではなく、
独自に発生したものと考えられています。
発酵の歴史についてみてみると、
19世紀に細菌学者のパスツールによって、
「発酵は微生物の力によるもの」と解明されましたが、
実はそれよりもずっと前から、人は発酵を利用してきました。
発酵食品の起源は「酒」といわれ、
なんと文明発祥のメソポタミア文明ではワインを、
日本でも紀元前の縄文時代には果物などで酒を造っていたと考えられています。
その酒が発酵して「食酢」になったことから、
世界最古の調味料として使われていたのは酢で、
日本でも4世紀後半の古墳時代には食酢が造られていました。
味噌や醤油は、古代中国の「醤(ひしお)」に由来しています。
ひしおとは肉や魚、穀物に塩を加え発酵させたもの。
日本はひしおをヒントに大豆で味噌を造り、
室町時代には、味噌の桶にたまった汁を絞り「溜まり醤油」に発展させたとされます。
世界的にみると、
アメリカやイギリスのピクルスや
ドイツのザワークラウトなど漬物はありますが、
発酵食品大国である日本には、約600種もあります。
それは、ぬかや酒粕(さけかす)、もろみなどの多種多様な漬け床があり、
国土が南北に長く四季のある日本には多彩な地方野菜が育ち、
漬ける材料の種類も多かったからです。
ここで、日本の地域の特色ある漬物を一部紹介しましょう。
(北海道)『サケのめふん』
サケの腎臓の塩辛。アイヌ語のメフル(腎臓)が語源。平安時代中期の行政文書「延喜式」にも記述があります。
(秋田県)『いぶりがっこ』
雪深い山間部では、漬物用の大根を外で干すと凍るため、家の中の囲炉裏の上につるしていぶしました。
(長野県)『すんき』
赤カブの葉を塩を使わずに、乳酸菌だけで発酵させた漬物。海から遠い木曽地方では塩が貴重品とされていました。
(石川県)『フグの卵巣のぬか漬け』
猛毒をもつフグの卵巣を、塩漬けした後ぬか漬けに。乳酸菌と酵母で発酵することで解毒。世界でも珍しい逸品。
(和歌山県)『さんまのなれずし』
熊野地方では、サンマをなれずしにして長期保存。新宮市の東宝茶屋には、30年熟成させたのももあります。
(佐賀県)『カニのガン漬け』
有明海の干潟に住む小型のカニの塩辛。カニをすりつぶし唐辛子と塩をまぶして発酵させます。
(沖縄県)『豆腐よう』
島豆腐を米麹、紅麹、泡盛によって発酵。琉球王朝時代に明から伝えられた「腐乳」が元になったとされています。
「知恵の宝庫」ともいわれる発酵食品は、近年、国内の各地で町おこしの特産品として見直されてきています。
食べ物の背後にある、地域の気候風土、食文化を反映した素晴らしい食べ物であることは間違いありません。
『第8回全国発酵食品サミットinふくしま』についてはコチラ↓↓↓
http://www.i-fukushima.jp/event/?p=16206
小泉武夫著「発酵食品礼讃」(文春新書)はコチラ↓↓↓
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166600762
舘博監修「図解でよくわかる発酵のきほん」(誠文堂新光社)はコチラ↓↓↓
https://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=4534
和食の驚くべき「だし」の効果についてはコチラ↓↓↓
http://challenge-tt.xsrv.jp/909.html
健康増進や長寿によいとされる「地中海食」についてはコチラ↓↓↓
http://challenge-tt.xsrv.jp/553.html
超ヘルシーなイスラム・中東の伝統料理「フムス」についてはコチラ↓↓↓
http://challenge-tt.xsrv.jp/657.html
スポンサーリンク
関連記事
-
-
肥満は伝染する? 同調圧力とは? これからの仲間づくりと関連が?チームアプローチとは?
『肥満は伝染する!』 ということを聞いたことがありますか? 実は、米国の研究者の調査で、
-
-
無形文化遺産『和食』驚くべき「だし」の効果!健康と幸福をもたらす可能性が?
2013年にユネスコの無形文化遺産に登録された『和食』。 米・野菜・魚を基本素材とし、 欧米
-
-
薄毛や抜け毛など髪の悩みは深刻な問題!大切なヘアサイクルとは?頭皮の老化度チェックを
以前は中高年の男性に多かった髪の悩み(薄毛、抜け毛、ボリューム不足・・・など)が、 現在では若い世
-
-
ブルーライトによる思春期慢性連日性頭痛など入院も 治療は?
近年、成人だけでなく小児領域においても、 ・片頭痛・緊張型頭痛 ・起立性調節障害 ・睡眠障害
-
-
高層マンションでは3階以下に住む若い女性が助かり易い?ブルジュ・ハリファではどうなるのか?
世界一高い超高層ビルといえば、 2010年に開業したアラブ首長国連邦ドバイにある 『ブルジュ・ハ
-
-
やる気やモチベーションを引き出すコツは?しゃべる、手を使う、歩く、簡単な行為で脳のウォーミングアップ
新たな年度がはじまる4月。 学生や社会人の皆さんは、 慣れない環境に適応しようと頑張っている
-
-
砂糖への課税は国民の健康対策として有効か?加糖飲料を減らせば糖尿病リスクが大幅に減る!
『国民の健康対策として、たばこ、アルコール、砂糖などへの課税強化を求める』 厚生労働省の有識者
-
-
食事、運動、休養、睡眠など規則正しい生活が脳機能をよい状態にする!
少し前から、「残業代ゼロ法案」というものを耳にしますが、簡単にいうと、労働者に対する報酬を、働いた時
-
-
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は世界的死因の第3位!発症リスクを3分の1低下させる健康的な食事とは?豊富に摂取したい6成分は?
『COPD』という略語をご存じでしょうか? COPDは、『慢性閉塞性肺疾患』という肺気腫や慢性
-
-
認知症をよく理解するための9大法則1原則とは?パーソンセンタードケア?認知症介護の現実は?
認知症の患者数は、日本全国で2012年の約462万人から、 2025年には700万人超(65歳以上