あなたの『かかりつけ医』は信頼できますか?2つの判断基準とは?
あなたは『かかりつけ医』をお持ちですか?
高齢社会の日本においては、「持っている」と答える人は結構多いのではないでしょうか。
では、そのかかりつけ医は本当に信頼できますか?
と尋ねると、自信をもって「信頼できる」と答えられる人は
あまり多くはないかもしれません・・・・・。
では、何をもって信頼できるか否かを判断するのか・・・・・?
私は2つの判断基準を持っています。
1つ目は、『患者の顔を見て診察する医師であるか』です。
これは、以前はごく当たり前のことでした。
患者の顔をしっかり見て問診し、
聴診器を胸や背中に当てて心音や肺の雑音などを確認、
最後は口を開けて舌圧子による反射の確認や喉の炎症症状を診る、
といった一連の過程がありました。
もちろん医学の進歩に伴い、必要なこと、不要なことなど変化していきますが、
少なくとも患者の顔を見て、問診して、
患者の体に触れるというコミュニケーションがあり、
そこには患者の安心感が生まれていました。
ところが近年は、電子カルテの導入で手書きのカルテは無くなりつつあり、
医師は一心不乱にパソコンに入力し続けます。
患者が診察室に入ってきても、
全く顔を見ずにパソコン上の記載や画像を観ながら問診し、
患者の返答を聴きながらその情報をひたすらパソコンに入力。
特に問題ないと判断すると、「前回と同様のお薬を処方しておきます」
と言って診察は終了。
いわゆる『3時間待ち、3分診療』とわれるものです。
このような『患者を見ずに病気(データ)を診る』医療をどのように感じますか?
そこに、医師への信頼は生まれますか?
体調の急変など何かあったときに、そのようなかかりつけ医に頼ることができますか?
2つ目は、『薬を減らせる医師であるか』です。
高齢者はいろんな病気を抱えているため、多くの種類の薬を飲んでいます。
そして、年齢を重ねるごとにさらに病気が増え、
その症状に対してさらに薬が追加され、薬の種類・量はとどまることがない・・・・・
といった高齢者はたくさんいます。
では、枠内に入りきれないほどある診断名のうち、
症状が治癒・改善したものはないのでしょうか?
治った症状に対する薬は止めてもいいのではないでしょうか?
そもそも、以前来院したときに診てもらった症状は治っているのでしょうか?
患者の顔すら見ない、パソコン注視の医師は、
どこまで患者のことを把握しているのでしょうか?
高齢者の薬の種類・量が増えていく一方で減ることがない・・・
この状況は容易に想像できます。
徐々に定着しつつある『かかりつけ医』制度。
本当に信頼できるのか否か、今一度、
『患者の顔を見て診察する医師であるか』
『薬を減らせる医師であるか』
という視点で再確認してみてはいかがでしょうか?
ところで、薬の処方については多くの問題があります。
1人の患者に多くの種類の薬が同時に処方されている状況を
『多剤処方(ポリファーマシー)』と呼び、
薬の種類が増えることで副作用が出やすくなることが問題視されています。
東京大学の研究では、
『常用薬が6種類を超えると副作用が出やすくなる傾向がある』
『5種類以上で転倒しやすくなる、消化器への影響で低栄養状態になるリスクが高まる』
ことなどが確認されています。
そのため、東京大学の秋下教授は、薬の処方の目安として、
『5種類程度に抑える』
ことを提案しています。
そのうえで、
・処方する薬の種類を減らせばいいという単純な問題ではなく、それぞれの患者に合った適正な処方を追求すること
・薬の効果と副作用のリスクの両方を検討し、服用する薬に優先順位を付けること
などの重要性を強調しています。
多剤処方については医療制度上の問題もあります。
高齢者の場合、持っていない診察券は『小児科』だけといわれるほど、
複数の病院に通って重複投与を受けているケースは少なくありません。
つまり、患者はそれぞれの専門分野の診療科を自由に受診できることから、
医師同士の情報の連携が難しく、結果として多剤処方になってしまいます。
多剤処方については、患者側の問題も考える必要があります。
・薬への依存心が非常に強い
・医療保険を活用して、医療機関で比較的安価に薬を入手できる
・認知症などによる薬の飲み忘れや、「薬を飲みすぎると体に良くない」という勝手な判断による飲み残しの問題
などが挙げられます。
特に、残薬については最近テレビでも取り上げられ、
その額は日本全国で年間に数百億円~数千億円ともいわれ、
医療費高騰の要因の1つであり社会的問題といえます。
結局のところ、適切な薬の処方を含む適切な医療の提供と、良質な医療の推進には、
国・医療従事者・患者それぞれの適切な対応が不可欠のようです。
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