無形文化遺産『和食』驚くべき「だし」の効果!健康と幸福をもたらす可能性が?
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美容、健康、その他
2013年にユネスコの無形文化遺産に登録された『和食』。
米・野菜・魚を基本素材とし、
欧米食に比べて健康維持・増進効果があるとされる食事が、
世界的に注目されるようになりました。
それは日本人に肥満者の割合が少なく、世界的に長寿であることについて、
油脂が少なく低カロリーである和食による影響が大きいと指摘されているからです。
和食の特徴として、
「かつお節を中心としただしを使うことで、油脂が少なくても美味しく感じられるだけでなく、カロリーを抑えることもでき、結果的に健康増進・維持に寄与している」
点が挙げられます。
そもそも「だし」とは、
かつお節、魚介類、海藻類、肉類、野菜類などを
水や湯で煮出してその成分を抽出したもので、
鶏肉や牛肉、骨などの生の食材を使用する海外と違い、
日本ではかつお節などの乾燥させた食材を用います。
「だし」にはグルタミン酸やイノシン酸などの「うま味成分」や
それ以外の成分も含まれており、料理の美味しさの基本とされています。
しかし、「かつおだし」の成分を分析すると、
イノシン酸は固形分中のわずか3%、
グルタミン酸は0.1%しか含まれていないことがわかりました。
また、原料のかつお節に油脂がほとんど含まれていないことから、
脂質量もごく微量であると考えられます。
一方、ヒトや動物が嫌う酸味成分(乳酸)や
苦み成分(ヒスチジン、クレアチニンなど)は、
「かつおだし」成分の半分以上を占め、うま味成分よりはるかに多く含まれています。
つまり、かつおだしにはヒトや動物が好む糖、脂質、グルタミン酸はほとんど含まれていません。
それなのになぜヒトや動物に好まれない成分を多量に含む「だし」を日本人は美味しいと感じるのでしょうか?
動物実験でわかったことは、
「だしを飲んだことがあるかないか」
で嗜好性に違いが出るということです。
このことから、体にとって有用な成分を含む食品は、
繰り返し摂取することにより嗜好性が獲得され、
摂取行動を持続させるのではないかと考えられます。
また、健康な大学生14人を対象に、
かつおだしが有する健康機能と嗜好性との関連を検討したところ、
「かつおだしが胃の運動を促進し、空腹感を減少させ、満腹感を高める」
ことがわかりました。
加えて、かつおだしを油脂と同時に摂取すると、
油脂の摂取量が明らかに低下する
というデータも得られています。
よってこのことから、
だしを摂取すると過食や油脂の摂取量がが抑制され、
ダイエットにも効果があるのではないかと考えられています。
さらに、「だしを飲むと心が落ち着く」
という人が少なくないことから、
動物実験を行ってみると、
「水」を与えたマウスよりも「だし」を与えたマウスのほうが攻撃性が低下することや、
不安や警戒心が軽減する行動を行うことがわかりました。
和食の特徴である「だし」は、
他のものに置き換えることができない高機能な食素材として、
和食の中心的役割を果たしてきたといえます。
無形文化遺産である『和食』が、今後ますます世界的に浸透していくことで、
人々に健康と幸福をもたらす可能性がありますね。
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