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『健康社会宣言2015関西』の 内容は? 少子高齢化の日本における医療や介護の課題や対策は?

公開日: : 美容、健康、その他

世界に類を見ない速さで少子高齢化が進む日本は、
・医療の地域格差
・少子化対策
・介護問題
・環境変化
・自然災害への対処など
多くの課題を抱えていて、従来の医療制度の維持が困難になりつつあります。

そこで、今後の日本の医学・医療を革新し、
健康長寿社会を実現していくことは急務とされています。

「第29回日本医学会総会2015関西」が4月11日~13日に開催され、
『健康社会宣言2015関西』
が発表されました。

その内容は以下のようになっていますが、
これまでの課題をできるだけ早期に解決しなければ
「絵にかいた餅」で終わることになります。

1)治療から予防へのパラダイム・シフト
少子高齢社会にあっては、病気の予防がなによりも重要である。
そのために胎生期から死に至るまでの終生にわたるヘルスケアを推進する。
特に加齢に伴う慢性疾患(いわゆる生活習慣を含む)においては、臨床症状などの異常が現れる前に予測し、発症前に介入する先制医療を目指すべきである。
すなわち、治療から予防へのパラダイム・シフトを行っていく。
それとともに高齢者が寝たきりにならないように、筋力の維持、リハビリテーションなどの対策を進める。

【課題】
・「予防」の線引きが困難で、
全く問題のない元気な高齢者がデイサービスなどを利用していて、
そこに介護保険が使われているのが現状。
国の保証付きのよいビジネスとして、さまざまな事業者が参入し、
質の低下が懸念されている。

・高齢者においては、
「毎月高い介護保険料を支払っているのだから、使わないと損」という意識が強く、
介護サービス事業者との思惑が一致している。
双方の意識改革を行うと同時に、
介護保険を使わず元気で頑張っている人を評価するシステムが必要。

2)個の医療の推進
個人の特徴に対応した医療、個の医療(精密医療)を推進する。
従来の画一的な医療と異なり、個人の遺伝素因、環境に基づいて最適の治療法を選択することにより、個人や医療制度への負担を軽減する。
それを実現するためにゲノム、エピゲノムなどの研究を推進するとともに、臨床疫学的研究や大規模データの活用を進めていく。

【課題】
・慢性的な腰痛や膝痛などで通院する高齢者に対しては、
電気治療や牽引、湿布などの画一的な処方となっている。
医療者側に治療するという意識はほとんどなく、
患者側もその処方で治るとは思っておらず、
漫然と一生通院するという構図になっていて、
「最適な治療法を選択する」ということとはかけ離れている。

3)トランスレーショナル・リサーチと臨床研究の促進
基礎医学の研究を一層推進するとともに、得られた成果の臨床への橋渡し研究(トランスレーショナル・リサーチ)を推進し、医療関係産業の発展に貢献する。

【課題】
・基礎医学研究と臨床研究の橋渡しについて、最大の問題点は厚生労働省の旧い体質であり、慎重を期する事項とそうでない事項の区別ができず、すべてが後手に回ることで医療産業の発展にもブレーキがかかってしまうのが現状。

4)出産、子育ての支援
少子化への対策として、妊娠、出産、子育ての正確な知識の普及、出産、子育ての支援体制の整備などに貢献する。
また子供の心身の健全な発達のための研究を推進するとともに、小児期の疾患の移行医療にも配慮する。

【課題】
・安心して出産、子育てができる国の支援体制の不備に尽きる。

5)地域医療、看取り医療の推進
病院と地域医療の連携体制の整備、基本領域専門医の育成、かかりつけ医を中心とした地域包括ケアの推進などを、政府や自治体と協力して推進する。
また高齢者の看取りの医療の在り方についての国民的合意が得られるよう努力する。

【課題】
・地域医療の格差が最大の問題。
医師の都市部の医療機関への流入が変わらなければ、へき地の医師不足などの状況は変わらない。
今後は、医学生に対する家庭医や地域医療についての教育のさらなる充実と、医師免許取得後にある一定年数のへき地勤務を義務化するような制度が必要。

・これまでの医学・医療では、「長生き」へのベクトルが主であったが、今後は、「いかに人間らしく、そして自分らしく死を迎えるか」という点に主眼をおいて進める必要がある。

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