精神的・心理的要因が脳卒中の原因になりうる?
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美容、健康、その他
現在、脳卒中は日本人の死亡原因の第3位となっています。
その総患者数は137万人で、死亡原因の第1位であるガンの総患者数が142万人なので、患者数としては結構多いことがわかります。
ただし、医療の進歩により、脳卒中で死亡する人の数は、年間で約13万人といわれていますが、交通事故で死亡する人が年間で約1万人くらいですので、これも決して少ない数ではありません。
脳卒中になる原因ですが、生活習慣としては大量飲酒、喫煙、運動不足、肥満などがあり、病気としては、高血圧、糖尿病、心臓病などがあります。
さらに今回、米・ミネソタ大学の研究で、
「慢性的な精神的ストレスや抑うつ、他人への敵意といった否定的な感情を持ちやすい人は、脳卒中や一過性脳虚血発作(一時的に脳卒中症状が出現しますが、24時間以内に症状は消失します)を起こしやすい」
ということがわかったというのです。
「しかも、脳卒中とこれら精神的・心理的要因との関係は、これまでの脳卒中危険因子などでは説明できないものである」と結論づけています。
研究の内容は、平均年齢60歳の男女を対象に、慢性的な精神的ストレスや抑うつ、怒り、敵対心が脳卒中や一過性脳虚血発作の発症リスクを高めるかどうかについて検討しています。
その結果、
①抑うつ症状や慢性的な精神ストレス、敵意のスコアが増加するのに伴い、脳卒中や一過性脳虚血発作の発症リスクが有意に(一般的には95%以上の確率で)増加。
②抑うつ症状、精神ストレス、敵意が最も高いグループでは、最も低いグループに比べて、脳卒中や一過性脳虚血発作の発症リスクが1.5~2倍と有意に増加。
ということが明らかになりました。
脳卒中の最良の治療は「予防」といわれていますが、今後は、これまでの予防因子に加えて、慢性化しないようにいかに精神的ストレスを発散し、心穏やかに日常生活を送ることができるかということも考えていく必要がありそうです。
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